ナンガ ダウンコートのデメリットは?4年半使った正直レビュー【日本製】

NANGA×have a good day TAKIBIダウンコート KHAKI サイズ2の全体 フードとスナップボタンの前立てが見える正面 ファッション
2022年1月に購入したTAKIBIダウンコート。4年半使った状態で、擦れも色落ちも出ていない

真冬に外で立っている時間が長いと、ダウンコートの当たり外れがはっきり出ます。
私は仕事の現場で外に出ることがあり、休みの日も家族で出かけるので、毎年11月から3月まで同じコートばかり着ています。

2022年1月に買った、ナンガのTAKIBIダウンコートです。
支払いは41,234円でした。

先に書いておきます。
このコートは、もう売っていません。
なのでこの記事は「これを買ってください」という話ではありません。

4年半でダウンはどのくらい抜けたのか。
膨らみは落ちたのか。
表地は擦れたのか。
5万円前後のダウンを買うかどうかで迷っている人がいちばん知りたいのは、そこだと思います。
実物を引っ張り出して、タグまで読んで書きました。

そのうえで、今のナンガで同じ役割を果たせるモデルを、記事の最後に2つ挙げます。

NANGA×have a good day TAKIBIダウンコート KHAKI サイズ2の全体 フードとスナップボタンの前立てが見える正面
2022年1月に購入したTAKIBIダウンコート。4年半使った状態で、擦れも色落ちも出ていない

私が買ったNANGA TAKIBIダウンコートは、もう買えません

買ったのは2022年1月1日、MARC ARROWSの楽天市場店です。
定価45,815円からクーポンが4,581円引かれて、支払いは41,234円でした。
型番はhgd-152-012-kha、サイズ2、色はKHAKI。

作っているのはナンガ(NANGA)です。
滋賀県米原市の寝袋メーカーで、そのナンガが「have a good day」というブランドに向けて作った別注モデルが、このコートにあたります。

TAKIBIというのは生地の名前です。
ポリエステルにアラミド繊維を混ぜた難燃素材で、焚き火の火の粉が飛んでも穴が開きにくいことが売りになっています。
ただ、私は焚き火のために買ったわけではありません。
真冬に外で立っている時間が長く、とにかく暖かいコートが欲しかった。
理由はそれだけです。

買う前は、ナンガの定番であるオーロラテックスのダウンジャケットとも迷いました。
最後にコートを選んだのは、当時ジャケット型のアウターはすでに持っていて、足りていなかったのが丈の長いほうだったからです。

公式サイトに仕様が出ていないので、タグを読みました

このコートについて調べると、ある時点で情報が途切れます。
別注モデルのためか、メーカーの公式サイトにも販売店の仕様表にも、中身の数字が載っていません。

そこで実物のタグを読みました。
書いてあったのはこれだけです。

身生地 ポリエステル93%・アラミド7%
裏生地 ナイロン100%
詰め物 ダウン80%・フェザー20%
サイズ 2
原産国 日本製
TAKIBIダウンコートの品質表示タグ 身生地ポリエステル93%アラミド7% 詰め物ダウン80%フェザー20% サイズ2 日本製
公式サイトに出ていない組成はここで確認できた。詰め物はダウン80%・フェザー20%、原産国は日本製

ダウン80%・フェザー20%。
後で紹介する現行モデルは90%や93%なので、数字だけ並べると私のコートは見劣りします。
それでも4年半へたっていないので、羽毛の比率だけで暖かさや寿命が決まるわけではない、というのが実際に着てみた感想です。

いっぽうで、次の3つは今も分かりません。

  • ダウンの産地
  • フィルパワー(羽毛の膨らみやすさを示す数値)
  • ダウンの充填量

それらしい数字を書くことはできますが、裏が取れていないものを書くと、読んだ人の判断を狂わせます。
この3点は「確認できていない」とだけ書いておきます。

同じものは買えませんが、後継にあたる現行モデルはあります。
記事の後半で私のコートと比べます。
先に見ておきたい方のために、ここに置いておきます。

4年半でどこが変わったか、正直に書きます

ここがこの記事の本題です。
答えを先に書くと、変わったと言えるところがほとんど見つかりませんでした。

期待していた展開ではありません。
「4年でここがダメになった」と書けたほうが記事としては面白いのですが、事実は事実として書きます。

TAKIBIダウンコートの前を開いた内側 横に走るキルトの部屋とナイロン100%の黒い裏生地
横に走るキルトの部屋がどれも同じように膨らんでいる。4年半でへたった部屋がない

羽根はほとんど出てきません

ダウン製品で気になるのが、袖口や縫い目から羽根が飛び出てくる現象です。
安いダウンだと、着て半年もすると黒いセーターに白い羽根がくっつきます。

私のコートは、4年半でほとんど出ていません。
まったくのゼロかと言われると自信がありませんが、「また出てる」と思った記憶がない、という程度には出ていません。
裏生地がナイロン100%で目が詰まっていることと、縫製の精度が効いているのだと思います。

膨らみも落ちていません

肩、肘、それから座ったときに潰れる背中と腰まわり。
このあたりは経年でへたりやすい場所です。

買った当初と比べて、膨らみが減った感じはありません。
写真の内側を見てもらうと分かりますが、横に走るキルトの部屋がどれも同じように膨らんでいます。
片寄って薄くなっている部屋がない、というのが4年半使った状態です。

これは保管方法も関係していると思います。
私はオフシーズンに圧縮袋を使いません。
クローゼットか、和室のハンガーラックに掛けっぱなしにしています。
掛ける場所を確保できるかどうかは、ダウンを長く着るうえで地味に効きます。

表地の擦れ、色落ち、撥水

擦れも色落ちも、目で見て分かるほどではありません。
KHAKIという濃い色なので退色が出やすいはずですが、袖口も裾も買ったときのままです。

撥水については、条件付きで書きます。
雨や雪の中を傘なしで長時間歩いたことはないので、そこまで追い込んだ検証はできていません。
そのうえで、小雨や雪がぱらついた程度なら、今も水滴が生地の上に乗ります。
弾かなくなったという印象はありません。

スナップとドローコードの不具合はゼロ

このコートの前立てはファスナーではなく、スナップボタンが縦に並ぶ作りです。
フードにはコードストッパー付きのドローコードが付いています。

金具まわりの不具合は、4年半で一度もありません。
スナップが緩んで勝手に外れることもないですし、ストッパーが効かなくなることもありませんでした。

TAKIBIダウンコートの襟元 スナップボタンの前立てとフードのドローコード コードストッパー
前立てはファスナーではなくスナップボタン。4年半で緩みや不具合は出ていない

一度も洗っていません

ここは正直に書きます。
4年半で、クリーニングに出したことも、自分で洗ったこともありません。
汚れたら軽く拭く程度で済ませてきました。

タグにはこう書いてあります。

頻繁に洗濯をされますと表生地のダメージ、縮み、毛羽抜けが出やすくなる等ありますのでシーズン最後の洗濯をおすすめします。

つまり「洗いすぎるな、ただしシーズンの終わりには洗え」ということです。
私は後半をサボっています。

家庭で洗う場合はダウン専用洗剤を使うこと、脱水したあと形を整えて風通しのいい場所でしっかり乾かすこと、汚れがひどいときはダウンを扱っているクリーニング店に相談すること。
取り扱いの注意書きには、そこまで書かれていました。
タンブラー乾燥と漂白剤は不可、色移りしやすいので他のものと分けて洗う、とも書いてあります。

なので、この記事には「洗ったらどうなったか」のデータがありません。
そこを知りたい人には物足りない記事になります。
先に謝っておきます。

TAKIBIダウンコート内側のNANGAケアタグ シーズン最後の洗濯をおすすめする注意書き
「頻繁に洗濯をされますと表生地のダメージ、縮み、毛羽抜けが出やすくなる等ありますのでシーズン最後の洗濯をおすすめします」

4年半使って感じたデメリット

劣化はしていません。
そのうえで、不満がないかというとそんなことはありません。
着ていて実際に困る場面は、はっきりしています。

室内と車内では暑すぎます

真冬は通勤でも着ます。
その通勤が、いちばん困ります。

電車に乗った瞬間に暑いです。
車に乗り込んでヒーターをつけた5分後も暑いです。
ショッピングセンターに入ったときも同じで、着たまま歩き回ると汗ばんできます。
出かける前に「着ていくか、車に置いていくか」で毎回のように迷います。
外にいる時間が長い人ほど向くコートなので、裏を返せば、駅まで歩いて電車に乗るだけの人にはオーバースペックになります。

脱げばいいのですが、それが次の話につながります。

嵩張る、そしてごわつきます

脱いだときの置き場所に困ります。
膝の上に置くと視界を塞ぐくらいの厚みがあります。

着ているときも、腕を動かすとごわつきます。
生地が難燃素材で、薄くてしなやかというタイプではないからです。
車の運転席で腕を回すような動きをすると、かさばりを感じます。

軽さやしなやかさを求めるなら、同じナンガでも薄い生地のモデルを選んだほうがいいと思います。

中身の情報が出てこない

先に書いたとおり、フィルパワーもダウンの産地も充填量も分かりません。
タグに書いてあったのは組成だけでした。

「日本製で暖かい」で満足できる人には問題になりません。
ただ、羽毛の産地まで確認してから買いたい人にとっては、これは無視できない弱点です。
そういう人は、この記事の最後で挙げる現行モデルのほうが確実です。

サイズ2で正解だったか

私は身長170センチ台の前半で、体型は細めです。
そのうえでサイズ2を選んで、ちょうどよく着られています。

下に着るものは日によってバラバラです。
トレーナー、パーカー、セーター、シャツ、それに薄手のミドルレイヤー。
どれを着ても窮屈になりません。

ナンガのダウンは全体的にゆとりのある作りだと言われていて、実感としてもそのとおりです。
パーカーの上から羽織っても肩が突っ張らないので、インナーを選ばずに済んでいます。

迷ったときの基準を1つ挙げるなら、いちばん厚いインナーを着る日を想定して選ぶことです。
ダウンは中で少し空気の層ができたほうが暖かいので、ぴったりを狙いすぎると冬の底で後悔します。

真冬にどこまで使えるか

外の気温がどれだけ低くても、このコートを着ていて寒いと思ったことがありません。
4年半で一度もです。

プライベートのお出かけや仕事の現場などで長時間外にいても、身体の中心が冷える感覚がありません。
フードを被れば首から上の風も切れます。
気温が何度まで、という書き方をしにくいのですが、真冬の平地で寒さに負ける場面は今のところ出ていません。

着回しの幅は広くありません。
丈が長くて色も濃いので、上下ともにカジュアルだと重く見えます。
私はジャケットの上に羽織ることが多く、その組み合わせがいちばん収まります。
中に着るジャケットについてはダーバンのリチャード・ジェームスのレビューにも書きました。

「日本製」と書いてありますが、どこまでが日本なのでしょうか

タグには「日本製」と書かれています。
ただ、ダウン製品の「日本製」は、羽毛そのものが日本産という意味ではありません。
ここは誤解されやすいので、分けて書きます。

羽毛は輸入品です

日本国内で羽毛を大量に採ることはできません。
ナンガが使っている羽毛も輸入です。

ナンガは河田フェザーという羽毛専業メーカーと共同で契約農場を持っていて、その農場はフランスとスペインの国境にあるピレネー山脈の東側にあります(NANGA公式サイト)。
あとで紹介する現行モデルの仕様表にも、「スペイン産ホワイトダックダウン」と産地が書かれています。

精製は国内です

採ったままの羽毛は、そのままでは使えません。
細かいゴミや酸化した脂肪分を取り除いて、洗って乾かす工程が要ります。
この精製を担っているのが河田フェザーで、工程は国内です。

原料は輸入、加工は国内。
羽毛製品としては、これがふつうの姿です。

縫製と仕上げが国内。ここが日本製の根拠です

ナンガの日本製モデルは、滋賀県米原市の自社工場で縫われています。
ダウンウェアの縫製は、生地を部屋に区切りながら羽毛を吹き込んでいく作業で、仕上がりの差がそのまま暖かさの差になります。
羽根が抜けてこないことや、4年半で膨らみが片寄らないことは、この工程の質だと思っています。

「日本製」と書いてあるとき、その中身は縫製と仕上げのことだと考えておくと間違いません。

TAKIBIダウンコート内側のhave a good dayネームタグ Made in Japan の表記とサイズ2のタグ
ネームタグにも「Made in Japan.」。ナンガの日本製モデルは滋賀県米原市の自社工場で縫われている

なお私のコートの品質表示には、表示者として大阪府箕面市のミノオ・ラボという会社名が入っています。
これは表示の責任者であって、縫った工場の名前ではありません。
どこの工場で縫われたかまでは、結局たどり着けませんでした。

国内で編んで縫うことの価値については、ループウィラーのパーカーのレビューにも書いています。

後悔しやすい人、しない人

私は4年半で一度も後悔していません。
買って正解だったと思っています。
ただ、それは私の生活に合っていたからで、誰にでも当てはまる話ではありません。

後悔しにくいのは、こういう人です。

  • 真冬に外で立っている時間が長い(屋外の仕事、休日の外出、駅から遠い職場)
  • 10年単位で1着を着るつもりでいる
  • 日本製の中身を知ったうえで買いたい

逆に、後悔しやすいのはこういう人だと思います。

  • 通勤が電車中心で、外にいるのは合計15分くらい
  • 年に数回しか真冬の屋外に出ない
  • 汚れたら気軽に家で洗いたい

3つ目が地味に効きます。
ダウン専用洗剤を用意して、脱水して、風通しのいい場所で丸一日乾かす。
その手間を面倒だと感じる人は、洗える化繊の中綿コートのほうが幸せになれます。

同じものは買えません。今買うならこの2つです

私のコートは終売です。
そのかわり、ナンガには日本製のコートとジャケットが現行で残っています。
実際に仕様表まで見比べて、これなら勧められると思った2つを挙げます。

形で選ぶなら:別注 HINOC ダウンステンカラーコート

セレクトショップのROCOCOがナンガに別注しているコートです。
価格は59,400円(税込・2026年9月時点)。
生産国は日本製で、中綿はスペイン産のホワイトダックダウン90%・フェザー10%、760フィルパワー。
フェザーには国内の河田フェザーのものが使われています。
表地はHINOC(ヒノック)という難燃素材で、ポリエステル93%・アラミド7%。
私のTAKIBI生地と考え方は同じで、名前がTAKIBIからHINOCに変わったものだと思ってください。

私のコートとの最大の違いは、フードがないことです。
こちらはステンカラー、つまり襟付きでフードなしの形になっていて、スーツの上にも羽織れます。
フードを被って風を切る使い方をしたい人には向きません。
そこは正直に書いておきます。

羽毛の産地とフィルパワーが仕様表に書かれている点は、私のコートより明確に優れています。

フードが要るなら:オーロラテックスライト ダウンジャケット ミカミ

こちらはナンガ本体のモデルです。
型番はND2441-1A100、公式価格は104,500円(税込)。
滋賀県米原の自社工場で作られていることが、公式の商品ページに書かれています。
中綿はポーランド産のホワイトグースダウン93%・フェザー7%で860フィルパワー、充填量は180g。
表地はオーロラテックスライトという15デニールの薄い生地です。

フード付きという点では、私のコートに近いのはこちらです。
生地が薄い分、ごわつきも少なくなります。

ただし形はコートではなくジャケットで、丈は短くなります。
それと、公式が「ジャパンリミテッドモデル」と説明しているモデルなので、来年も同じものが買えるとは限りません。
気に入ったら在庫があるうちに、という性質のものです。

3つを並べるとこうなります

私のTAKIBI(終売) HINOC ステンカラーコート ミカミ
形 コート コート ジャケット
フード あり なし あり
表地 ポリエステル93%・アラミド7% ポリエステル93%・アラミド7% オーロラテックスライト15D
詰め物 ダウン80%・フェザー20% ダウン90%・フェザー10% ダウン93%・フェザー7%
フィルパワー 確認できていない 760FP 860FP
ダウンの産地 確認できていない スペイン産ダック ポーランド産グース
生産国 日本製 日本製 日本製(滋賀・自社工場)
価格 41,234円(2022年・購入時) 59,400円 104,500円

価格と在庫は2026年9月時点のものです。
別注モデルは数が限られるので、見に行ったときに売り切れていたら申し訳ありません。

まとめ

4年半、ほぼ毎冬着続けて、羽根はほとんど抜けず、膨らみも落ちず、表地も擦れていません。
金具の不具合もゼロでした。
一度も洗っていないのにこの状態なので、41,234円は高くなかったと思っています。

そのかわり、電車と車の中では暑すぎますし、脱いだときは嵩張ります。
外にいる時間が短い人が買うと、持て余します。

私のコートはもう買えませんが、ナンガには日本製のコートとジャケットが残っています。
羽毛の産地やフィルパワーまで書かれている分、選ぶ材料はむしろ増えました。

長く使える日本製をもう少し見たい方は、小宮商店の傘のレビューもどうぞ。
雨の日の装備として、こちらも何年も使っています。

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